家賃回収に役立つ!コラム【4 家賃を滞納する入居者の問題を解決する各種制度】
【4 家賃を滞納する入居者の問題を解決する各種制度】
1 入居者からの相談
家賃を滞納する入居者は、入居者個人の問題を抱えていることがあります。
この問題解決を放置したまま家賃回収を求めても、回収にはつながりません。また、入居者の問題を無視した家賃督促は、トラブルの原因にもなります。
大家が回収・解決に向けて何かアドバイスできることはあるでしょうか。
2 生活困窮者自立支援制度の利用による解決
失業等により家賃を滞納し、契約を解除され物件からの退去を求められている入居者については、
厚生労働省が運営する「生活困窮者自立支援制度」を利用できる場合があります。
(厚生労働省による説明ページ: 生活困窮者自立支援制度の紹介)
この制度の利用により、家賃滞納の背景となる問題解決が図られる場合があります。入居者の問題解決により、家賃回収が実現したり、強制退去に至らない形で退去明渡が実現できる場合があります。
各自治体に相談窓口が設けられていますので、大家としては、このような窓口を入居者に案内すると良いと考えられます。
3 生活保護の利用による解決
病気により働けなくなった、という入居者については、生活保護の利用を検討して頂くことも必要です。
自治体にもよりますが、生活保護受給にあたって退去費用の支給を受けられる場合があります。
4 社会福祉協議会の利用による解決
各自治体の社会福祉協議会の制度の利用も考えられます。
社会福祉協議会においては、様々な貸付制度が用意されています。
(福岡市社会福祉協議会による説明ページ: 生活福祉資金貸付)
決まった職業があるものの、一時的な理由により家賃滞納が生じた、という方については、社会福祉協議会に相談してもらい、緊急小口資金や生活福祉資金等の貸付制度を利用して頂くという方法もあります。
特に、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた入居者については、この制度利用が効果的です。
5 弁護士から入居者への情報提供
当事務所では、事情があって家賃を滞納する入居者からの相談に応じて、生活困窮者支援制度や社会福祉協議会の支援制度について情報提供をし、生活保護の利用を勧めるなど、解決に向けた情報提供を行っています。以上のような制度を利用することにより、家賃滞納が解決に至ったり、最終的に家賃回収が実現できた例は多数あります。
目次
- 【家賃回収に役立つ!コラム】1 借主へ督促する際の注意点
- 【家賃回収に役立つ!コラム】2「まとめて支払う」という借主
- 【家賃回収に役立つ!コラム】3 連帯保証人の重要性
- 【家賃回収に役立つ!コラム】4 家賃を滞納する入居者の問題を解決する各種制度(本ページ)