【建物明け渡し(立ち退き)解決事例】家賃増額請求をしたところ、請求を契機に明け渡しに至った事例
【物 件】福岡県内のオフィスビル
【案 件】賃料増額請求
【解決内容】調停不成立後、賃借人から明渡
1.オフィスビルオーナーからの賃料増額請求の依頼
今回紹介する事例はオフィスビルの不動産オーナーより賃料増額請求の依頼を受け、賃借人に対して明け渡しを請求したところ、賃料増額請求を受けたことをきっかけとして退去に至った事例です。
オーナー様は、リーマンショック後の2011年頃に賃借人にオフィス区画を賃貸していました。その後、日銀の金融緩和等により不動産価格が高騰し、これに伴い賃料相場も高騰していきました。その結果、賃借人の現行賃料と、別区画の新規の募集賃料の坪単価に倍近い差が生じるようになりました。
そこで、オフィスビルのオーナー様より賃料増額請求のご依頼があり、継続賃料を算定したうえで賃料増額調停を申し立てました。
2.賃料増額調停での協議は平行線をたどり、その後明渡へ
賃料増額調停の申し立て後、賃借人にも代理人が就任し、協議が行われました。
双方の希望する賃料金額に隔たりがあり、残念ながら、調停成立に至りませんでした。
訴訟提起の準備を進めていたところ、相手方代理人より「ちょうど移転も考えていたところなので、この件をきっかけに退去することにした。ついては賃料増額請求を取り下げてもらいたい」との連絡が入り、その後の調整を経て物件の明渡に至りました。
3.まとめ
このように、賃料増額請求が契機となって明渡に至ることもあります。
本賃料増額請求を受け、賃借人側が費用対効果を検討し、最終的にオフィス移転を決断した、という事例で、当初から明渡請求を目的としたものではありませんが、一つの解決事例として紹介させて頂きました。