【建物明け渡し(立ち退き)解決事例】マンション敷地への無断駐車や騒音などの迷惑行為を繰り返した賃借人に対して明渡請求が認められた事例
【物 件】福岡市郊外の一棟建マンション
【特 徴】入居者がその所有車両を無断駐車したり騒音を出したりとの迷惑行為を繰り返す
【手 続】内容証明送付後連絡が無く訴訟提起
【解決内容】訴訟において、明渡を内容とする和解成立
1.迷惑行為を繰り返す賃借人に困っていた不動産オーナー
物件は福岡県内の一棟建てマンションです。
賃借人は40代女性です。高校生の息子と同居していました。
しかし、賃借人が自家用車を無断でマンションの敷地内に駐車したり、高校生の息子が深夜に騒いだり、床を叩くなどの騒音を出したりするなどの迷惑行為が後を絶ちませんでした。あまりに騒音がひどいので隣の部屋の住人なども次々に退去し、オーナーも非常に困っているという状況でした。そこで、赤坂門法律事務所に相談があり、明渡請求の依頼を受けました。
2.現状の確認
まずは、当職にて、無断駐車の状況や騒音に関する確認に向かいました。
騒音が発生するという時間に、下の階に住む住人に話を伺いにいったところ、確かに実際に床を叩くような音が聞こえていました。
また、マンションの敷地内にも賃借人所有と思われる車両が無断駐車されていました。
そこで、これらについて適宜録音や写真撮影により証拠として保全しました。
3.内容証明郵便の送付及び明渡訴訟の提起
その後直ちに、賃借人に対し、内容証明郵便にて、迷惑行為を理由として賃貸借契約を即時解除する旨の通知書を送付しました。その後、賃借人から一切連絡が無く、また、騒音や無断駐車の状況についても変化がありませんでした。
また、当方からの電話連絡についても応答がありませんでした。
そこで、建物の明渡を求める訴訟を管轄裁判所に提起しました。
4.訴訟提起後における賃借人との協議
訴訟提起後、賃借人側には弁護士が就任し、明渡について協議をしました。
賃借人側からは、訴訟になった以上そのまま住む意向も無いとして、明渡を行う旨の意向が示され、その後まもなく賃借人は引っ越していきました。
しかしながら問題はここからです。管理会社にて部屋に立ち入ったところ、前置物が多数放棄され、しかも部屋の中のキッチンや造作類に(キャラクターやミュージシャンの)シールが多数貼られている、という状況でした。そこで、このような状況では明渡と到底認めることができない旨を当方から賃借人に伝えました。未払賃料と原状回復費用は支払うとのことでしたので、当方で原状回復費用を算出し、その金額について分割払を行うことで訴訟上の和解が成立しました(その後、原状回復費用は全額支払われました)。
5.迷惑行為による明渡請求のポイント
迷惑行為による建物明渡請求のネックは迷惑行為の立証です。
この点、 管理会社や近隣の部屋や住民の方の協力が必要となりますが、近隣住民の方の協力を得ることが難しい場合もあります。その場合でも、粘り強く調査をして証拠を保全したり、また、弁護士に明渡訴訟を依頼するという行動を起こすことで早期解決に至る場合があります。
迷惑行為による明渡請求のポイントは、「事態を静観せず、行動に移すこと」です。迷惑行為にお困りの大家様や管理会社様は是非弊事務所にご相談ください。
※守秘義務の観点から、事案の趣旨を損なわない限度で実際の事案とは内容を変更しています。