【建物賃貸借契約条項解説】5 賃料等の支払時期・支払方法
1.支払時期
民法上、賃料等は後払いとされています(民法614条)。しかし、これは任意規定(当事者の合意によって変更される規定)です。
賃貸借契約書の多くは、前月末日までに支払う旨規定されていることが多いですが、これは、上記民法の規定を当事者の合意で変更したものであると整理されます。
2.支払方法
民法上、賃料支払は賃貸人の住所に持参して弁済することが原則とされています(民法484条1項(改正後))。しかし、このような取り扱いは時間と労力との関係で効率的ではありません。
そこで、一般的な賃貸借契約書では、支払方法を口座振込または口座振替の方法で行うことが定められております。振込または振替にて支払う旨の定めがあり、かつ、その他の支払方法を行わない旨定めた場合、賃貸人は、持参払を拒否することができると考えられます。
振込手数料または口座振替手数料については、賃借人がこれを負担するのが民法上の原則です(民法485条)。したがって、特約がない限り賃借人が負担することになります。
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目次:建物賃貸借契約条項解説
- 賃貸借の目的物
- 契約期間・更新条項
- 使用目的
- 更新料
- 賃料等の支払時期・支払方法(本ページ)
- 賃料改定・賃料増減請求
- 敷金一般
- 敷金返還債務の承継
- 館内規則・利用規約等
- 遅延損害金
- 賃貸人の修繕義務
- 契約の解除・信頼関係破壊の法理
- 保証金
- 賃借人たる地位の移転
- 原状変更の原則禁止
- 善管注意義務及び損害賠償
- 連帯保証人
- 反社会的勢力の排除
- 当事者双方からの期間内解約条項